精油の偽和とは

精油の偽和とは?

天然100%でない精油を、天然100%と偽って販売することを「偽和」と言います。


残念ながら、世の中に流通している精油の多くが、合成香料や天然香料などで、何らかの成分調整をされていると言われています。そういった精油が「天然100%」と謳われ販売されているのが、香料や精油業界の現状だそうです。


そういう精油を使ってしまうと精油の効果を得られないだけでなく、トラブルの原因ともなりますので、アロマテラピーを行う場合、精油選びは慎重に行いましょう。

​★精油の選び方⇒

偽和の方法

偽和の方法には、以下のようなものがあります。

・化学的に合成された芳香分子(合成香料)を混ぜる

・植物から抽出した天然香料を混ぜる

・別の植物から抽出した精油にその植物以外の名前を付ける

・エタノール、水、油脂、クエン酸トリエチルなどを混ぜる

偽和の目的

偽和をする理由には以下のようなことが考えられます。

​・安価な合成香料などを混ぜることで、かさましをして、利益が多くなるように

・需要量に対して生産量が不足しているため

・香りを良くするため

・天候などで含有成分が変化するので、そういったことに左右されずに一定の基準を満たすため

真正ラベンダー精油の偽和

真正ラベンダー精油(学名:Lavandula angustifolia)と言えば、アロマテラピーをする際に、なくてはならない精油の一つです。人気がある上に高価なため、偽和が行われる精油として有名です。その偽和は、以下のような方法で行われます。

 

【偽和の方法1】ラバンジンの精油を混ぜる。あるいは、ラバンジンの精油を真正ラベンダーとして販売する

 

ラバンジン(学名:Lavandula X intermedia)は真正ラベンダーとスパイクラベンダー(学名:Lavandula latifolia)の交配種で、真正ラベンダーに比べて収油量が2倍あり、真正ラベンダーに比べると価格も安価な上、香りも真正ラベンダーに似ています。

 

そのため、育てやすく安価なラバンジン精油を真正ラベンダー精油に混ぜて販売する、あるいはラバンジン精油を真正ラベンダー精油と偽って販売することがあります。そうすることで、より多くの利益を得たり、需要量に対する生産量の不足を補おうとしていると考えられます。(念のために書いておきますと、高品質なラバンジン精油は、アロマテラピーに使用しますし、良い効果を発揮してくれます。)

 

真正ラベンダーとラバンジンは、カンファーや1.8シネオールの含有量が違うので、厳密な成分分析をすることで偽和を見抜けることもあります。

 

カンファーや1,8シネオールは真正ラベンダーには、ほぼ含まれません(一般的にカンファーは0.5%以下、1,8-シネオールは1.5%以下)。成分分析表を見た時にそれらの成分が多く入っていた場合、ラバンジン精油であったり、ラバンジン精油が混和されている可能性があります。​

 

※ただし、あくまで目安ですので、天然100%の真正ラベンダー精油であっても、この範囲に収まらない可能性がないとも言い切れません。​​​​​​

【偽和の方法2】合成リナロールや合成酢酸リナリルを添加する

​リナロールや酢酸リナリルは、真正ラベンダー精油に含まれる代表的な成分です。

dihydrolinaloolという天然界に存在しないと考えられている成分は、合成リナロールに不純物として含まれます。GC-MS(ガスクロマトグラフ-質量分析装置)でこの成分が検出されると合成香料が含まれていることが分かります。

​合成香料には、少量の不純物が含まれています。そういったものがトラブルの原因となることもありますので、アロマテラピーには天然100%の精油を使用します。

【偽和の方法3】​天然由来のリナロール、酢酸リナリルを添加する

真正ラベンダーのISO規格は25~45%の酢酸リナリル、25~38%のリナロールを含むことととされています。しかし精油は、産地やその年の気候によって含有成分が変わってきます。

抽出した真正ラベンダー精油がISO規格を満たさない場合、酢酸リナリルやリナロールを添加して規格を満たそうとする行為は理に適っていると言えないこともないのですが、アロマテラピーでは植物の全体性を大切にしますので、人工的に成分調整した精油は基本的に使用しません。

【偽和の方法4】有機溶剤、植物油を混和する

有機溶剤や植物油もGC-MS(ガスクロマトグラフ-質量分析装置)を用いると容易に検出ができます。
 

標準化とは

オーストラリアではティーツリー精油の生産が盛んですが、人気が高まるにつれ粗雑な精油が製造されることも増えてきました。そのため、政府はある時にテルピネン-4-オールを30%以上、1,8-シネオールを15%以下含むものをティーツリー精油と規定しました。

 

その結果、市場に出回るティーツリー精油のほとんどがその成分を含有するものになったのですが、別の植物から抽出したテルピネン-4-オールの成分を混ぜて調整されたティーツリー精油も市場に出回るようになりました。

個人的な考えとしては、植物が環境に合わせて生合成した精油成分をそのまま使わせていただくことで、自分自身の自然体に繋がると感じているので、成分を人工的に調整した精油はあまり使いたいと思わないのですが、天然成分なら使用してもいい、と考えられる方の意見を否定するつもりもありません。

 

精油を購入する際は、この点にも留意する必要があるかと思います。
 

その他の精油の偽和

真正ラベンダーの偽和の方法をいくつか挙げましたが、真正ラベンダーよりもさらに高価なローズ精油にしても、香りの似た、ゼラニウム精油やパルマローザ精油を混ぜるなどの偽和が横行しています。

もともと安価な精油に関しては偽和をするメリットがないのですが、高価な精油に関しては私たち消費者が知らないだけで、精油の偽和が、かなり広く行われてるようです。

安全で効果的なアロマテラピーのために、ぜひ、質の良い精油を使用してください。

​★こちらのサイトでより詳しく偽和について書かれています

Sakura L'avenir(外部リンク)