植物療法の本場フランスなどで学んだ知識と、生理学に基づいた確かなアロマテラピーをお伝えします。まずは無料講座から。
ペパーミント
解説
ペパーミントは、ウォーターミントM. aquaticaとスペアミントM. spicataの自然交配種で、コショウ(Pepper)のように刺激的な香りがすることから、その名がついたと言われています。
ミント類は、他の品種と交雑しやすく、純粋なペパーミントは手に入りにくくなっています。そのため、成分が似ていて手に入りやすく安価なコーンミントでかさ増しされることが多いそうです。
このように他の精油でかさ増しすることなどを偽和といいます。
また、ペパーミントの精油はモノテルペノール類のℓ-メントールとケトン類のℓ-メントンを主成分としていますが、この2つの成分のパーセンテージを比べて、ℓ-メントールのほうが多く含まれるものが安全で、その精油の品質も良いとされ、アロマテラピーの精油として適していると言われています。そのため、簡単に製造できるℓ-メントールを添加し、調整することもあるそうです。
そういった精油は、アロマテラピーには向きませんのでご注意ください。
ペパーミント精油は、気分を落ち着かせるだけでなく、リフレッシュさせたり、精神に活力を与えたりすることが知られ、メンタルの調整に役立ちます。勉強やお仕事で頭が疲れた時に、吸入するとすっきりします。また、喉の痛みや鼻づまり、消化促進やおなかの張りの緩和、筋肉痛やニキビ対策など色んな症状に役立つため、アロマテラピーには欠かすことのできない精油です。
かなり刺激が強いので、成人はブレンドオイルにおけるペパーミントの濃度を10%以下、小児は5%以下にします。ただし、頭痛のときにこめかみに塗る場合など、局所的な使い方の時は原液で使われることもありますが、その場合は、目に入らないように十分に注意します。
※原液使用に関しては、賛否両論あると思いますので、ご自身が納得された方法で、自己責任でご使用ください。
乳幼児に関しては、特に使用を避け、6歳以上になってからご使用ください。
鎮痛・麻酔作用があるので、筋肉痛、凝り、腰痛などのマッサージブレンドやローションにブレンドするのがおススメです。
また、精油をブレンドする際、香りがいまいちまとまらないなぁというときに、極少量入れると良い感じにまとまることがあります。
ミントの種類
ミントにはたくさんの種類があります。以下はその一部ですが、ミントで有名なペパーミントとスペアミントは主成分が大きく違っていますし、もちろん香りも異なります。使用目的に合わせて選びましょう。
ペパーミント精油の使用方法例
◆乗り物酔い、吐き気、頭をすっきりさせたい時
・ペパーミント2滴
・レモン2滴
ティッシュなどに垂らして、2~3分おきに、香りを吸入する
◆胃もたれ、消化不良
・ペパーミント1滴
空の1号カプセルに1滴精油をいれ、空いた部分に植物油を入れ飲みます。
※この使用方法は、ある程度アロマテラピーを勉強されて、精油の飲用を納得された上で、高品質な精油を使用することが条件です。精油を口に入れることに不安がある方は、思わぬ症状を引き起こす可能性がありますので、この使用方法はお控えください。
◆鼻づまり
・ペパーミント1滴
・ユーカリ・ラディアタ2滴
・ティーツリー2滴
熱湯に垂らして、10分程度吸入します。
◆緊張性の頭痛
・ペパーミント3滴
・真正ラベンダー3滴
・植物油5ml
混ぜたもので、こめかみや首の筋肉を優しくマッサージします。
2年ほど前に東京にアロマテラピーの講座を受けにいったのですが、その帰りの楽しみは、駅でおいしそうなお弁当を買って新幹線で食べることでした。
その日はかつ丼弁当で、味は美味しかったのですが、量が多く、残すのももったいないので、無理をして食べてしまいました。
もともと胃腸がそこまで丈夫でない上に、慣れない東京行きでストレスがかかっていたのか、翌日胃もたれになってしまいました。そこで、ちょうど手元にあった、ペパーミント精油を空のカプセルに1滴入れて飲んだところ、たちどころに気持ち悪さがなくなったのには、本当に驚きました。
精油の効果をしみじみと感じた経験でした。
日本では、精油を飲むことに対して、否定的な意見が多いとは思いますし、薬と同じように慎重に取り扱う必要があると、筆者自身も思っています。
ただ、胃もたれしたからと、精油を胃のあたりに外用で塗ったり、鼻や口から吸入したからといって、すぐに同じような効果が得られたとも思えないのです。(その時、実際にやったわけではないので、絶対とは言い切れませんが)
飲用をしたくないと思っている方に、無理にすすめることは絶対にありませんが、劇的な効果を感じたこともあり、アロマテラピーを勉強する上で、重要な吸収経路である飲用についても、いちおう知識としてはもっておいていただきたいなぁと思います。