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アレルギーについて

 
 アレルギーとは?

私たちの体には、細菌やウイルス、その他の異物から身を守るための「免疫」という仕組みが備わっています。この免疫の仕組みが、何らかの原因で異常を起こし、それほど危険でない物質までも危険物とみなして、体が過剰に反応することで、くしゃみ、鼻水、発疹、呼吸困難などのアレルギー症状が起こります。

アレルギー疾患としては、花粉症が有名ですが、本来花粉は、日常生活レベルで体内に入る分には、それほど危険な毒性を持っている訳ではありません。ですが、花粉症の人の体は、体内に入った花粉を、「体に危害を加える異物」とみなし、体外に速やかに排出するためにくしゃみや鼻水などのアレルギー症状を引き起こします。

この花粉のようにアレルギー症状を引き起こす物質を「アレルゲン(抗原)」と言い、花粉の他にも、食物、ハウスダスト、ダニなどがあります。これらのアレルゲンが体内に入った時に、「抗体」が作られ、この抗体が作られた状態を「感作」と言います。

日本人のほとんどが毎年スギ花粉を吸っているので、「抗原」は体内で蓄積されていきます。その限界量(個人差がある)を越えた時に、花粉症の症状が出ると言われており、全ての人が花粉症になる可能性をもっているそうです。

 
 精油とアレルギー

精油の中に含まれる芳香成分の一部にも、アレルゲンとして指定されているものがありますが、過剰摂取や不適切な使用方法をしない限り、ほとんどアレルギーを発症することはありません。


ですが個人の体質、精神的肉体的ストレス状態、妊娠中や授乳中などホルモンバランスや肉体の状況が特殊な状況下など、何らかの条件により、一度に大量使用した時や継続して何週間も使用した時はアレルギーを発症しやすくなりますので、自然療法だからどのような使用方法をしても大丈夫、ではありません。

精油の中には、天然100%と販売されているものでも、合成の香料が混和されていることがあります。合成香料がアレルゲンとなることも報告されていますので、偽和のされていない天然100%の精油を使うことも、アレルギー対策には重要になってきます。

 

偽和について⇒

精油の選び方について⇒

 
 海外での精油のアレルギー例

精油が大好きで1~2年ほどマッサージ、皮膚塗布などの使用により毎日かなりの量を使用されていたアメリカ人女性はある時に、すべての精油に対して赤味や発疹などのアレルギー症状を起こすようになられました。料理やお菓子などに微量に含まれている程度の精油であれば大丈夫ではあるそうなのですが、その後、薄めても皮膚塗布することが出来なくなったそうです。

この方の例としては毎日15ccを超える相当量の精油を使われていたようです。

この女性の例とは別に、職業上、いつも精油に触れているアロマセラピストがアレルギー性接触皮膚炎を発症したという報告もあります。

どの芳香成分がアレルゲンとなったのかは、不明ですが、花粉症と同じように、特定のアレルゲンに対する限界量があるとすれば、精油の過剰摂取や同じ精油を長期的に使用することはアレルギーを引き起こす可能性があります。

 
 EUで表示義務のある香料アレルゲンとその濃度

ヨーロッパでは、EU化粧品指令76/768/EECにおいて特定の香料成分が引き起こす26種類の香料アレルゲン物質がリスト化されています。最終製剤(最終的に顧客に販売される状態)でこれらのアレルゲン物質が基準濃度以上の場合、該当する化粧品に対してそれらを表示しなければなりません。 

​【基準濃度】

使用後に
・洗い流さないタイプの製品:0.001%濃度以上
・洗い流すタイプの製品:0.01%濃度以上

 

EUでは、これらの濃度以上が含まれている場合、当該製品の成分リストにアレルゲン物質を表示する必要があります。

下記の表は、精油に含まれるアレルゲン物質をピックアップしていますが、その成分が入っている精油を使用したからと言って、必ずアレルギーを発症するわけではありません。

例えば、基礎化粧品であれば、毎日1日2回、数年間同じものを使用する場合もあります。この濃度はそういった長期間の使用の場合でも問題のない量に設定してあると考えられます。ですので、それらの芳香分子がもっと高濃度で含まれているマッサージオイルを数週間程度使用したからと言って、アレルギー症状が出ることは通常ではないと考えられますが、パッチテストをしてから使用する、使用後に異常があれば速やかに使用を中止するなど、注意するようにしましょう。

​下記の表には16種類の芳香分子が書かれており、基準濃度も上記のように一律に決められています。

ですが、例えば、シンナムアルデヒドとリナロールであれば、シンナムアルデヒドの方がリスクが格段に高いという研究結果があったり、リモネンやリナロールが酸化後にアレルゲンとして発現しやすいこと、試験に使用される芳香分子が合成でそこに含まれる不純物がアレルギーの原因になっている可能性があることなど、アレルゲン物質として指定するには、全体的に厳密性に欠ける可能性があるとも言われています。

と言っても、精油にはアレルゲンになる可能性のある物質が含まれているということも本当ですので、こういった情報も知っていただいた上で、適切に使用していただければと思います。

 
 
 精油でアレルギーを起こさないために

1、初めて使用する精油は少しずつ

トラブルを避けるため少量ずつ試すように使用します。

2、使用前にパッチテストをする

初めて皮膚塗布で使用する精油については、パッチテストをします。

パッチテストとは、アレルギー反応が出ないかどうかを調べるテストのことです。以下の方法で行います。

1、実際に使用するブレンドオイルを準備

2、絆創膏などにそのブレンドを2滴程度つけ、前腕部の内側に貼る

3、10~15分後に即時型アレルギー反応の確認→発赤や腫脹などが起こっていないか?

4、48時間後に遅延型アレルギー反応の確認→発赤や腫脹などが起こっていないか?

5、より丁寧に行うなら、感作反応がないか調べるため、4、をもう一度行う

3や4でアレルギー反応が出た場合は、たっぷりのオイルで数回ふき取ります。オイルでふき取ることで、精油成分が肌からオイルに移りやすくなります。

3、同じ精油(ブレンド含む)を長期連続使用しない

同じ精油や精油ブレンドを、2週間以上連続で大量に使用することは避けてください。2~3週間使用し続けたらアロマのケアを数日休む、5日使ったら2日休むなど、休憩をはさむようにして使用すると良いでしょう。

 

また、例えば、3週間ケアを続け、1週間休みというサイクルでケアを続けるにしても、同じブレンドを使用するのは最長でも3か月までに止めましょう。3か月以降は、今まで使っていたブレンドのメインの芳香分子を、別のものに変えたブレンドを使用するとアレルギー対策になります。

精油に限らず、1日の使用量x継続日数が本人の限界値(個人差あり)を超えた場合、アレルギーを発症する場合があります。精油の代謝経路は人間に存在してはいるものの、精油は高濃度の植物成分を含んだ物質のため、製品に問題がなかったとしても使用量と頻度が多ければ負担が大きくなりトラブルに繋がりますので、長期の単一の精油、あるいはブレンド精油の大量継続使用は避け、体調などに変化はないか注意を持って使用しましょう。

4、芳香浴を長時間行わない

アレルギーと聞くと、皮膚塗布や飲用などによるものを想像してしまいがちですが、空気中の揮発成分によるアレルギー性接触皮膚炎も報告されています。

精油をディフュザーで芳香浴に使用する場合は、1日2~3回で1回あたり10分~20分程度の使用に止めます。使用後は部屋の換気を行うようにします。また、ミストが直接肌にかからないように注意します。

5、使用頻度や使用量を、実際の必要によって調整する

直接塗布出来る種類の精油だから大量に使用しても大丈夫、不安だから多めに、健康維持のために毎日使おう・・・と利用するのではなく、改善したい症状や状態に合わせて、ご自身に必要な分だけ取り入れるようにしてください。

何か改善したい症状があるのであれば、使用期間を決めてから使用を開始します。例えば、急性疾患であれば1週間、慢性症状の改善であれば3週間など。

症状が改善したら使用をやめる、ある程度使用しても改善しない場合はブレンドが合っていないのでブレンドを変えるなど、常に自分の心と体を観察し、漫然と使用しないようにしましょう。

※アレルギー対策とは違うのですが、何かの急性症状を精油でケアする場合(例えば風邪などの感染症対策)に3日程度精油を使っても改善が見られない場合や悪化した場合は、精油の選定が症状に合っていないだけかもしれませんが、別の病気の可能性もありますので、無理に自分でケアしようとせず、早めにお医者さんを受診してください。